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Retell AIで日本の電話番号を使う方法|050番号・SIP接続の構成を解説

結論:日本番号は電話回線の方式に応じて接続する

最先端の音声AIプラットフォームである「Retell AI」は、優れた日本語会話能力を備えています。しかし、これを日本の一般電話回線(050や03番号)と接続して実際の電話機で会話させるためには、電話回線の通信方式(REGISTER方式かSIP Trunk方式か)に合わせた中継ゲートウェイ(Asteriskなど)の導入が必要になります。

この記事では、インフラ設計から接続の壁をクリアする具体的な構成までを分かりやすく解説します。

Retell AIとは

Retell AIは、電話や対話アプリに特化した、超低遅延(会話間の遅延が1秒未満)のリアルタイム音声AIエージェント構築プラットフォームです。音声認識(STT)、思考(LLM)、音声合成(TTS)を高度にストリーミング処理し、人間が実際の電話口で話しているような「自然な会話のキャッチボール」を自動化できることで注目を集めています。

Retell AIは日本語に対応しているか

はい、Retell AIは日本語に完全対応しています。日本語対応の音声認識(Deepgramなど)と、ElevenLabsなどが提供する自然な日本語合成音声モデル(拓真やさくらなど)をダッシュボードから選択するだけで、極めて高品質な日本語対話エージェントが完成します。

Retell AIで日本番号を使うのが難しい理由

Retell AI自体は優れた電話システムを備えていますが、日本国内の電話番号をそのままインポートして使うのは非常に困難です。主な理由は以下の4点です。

1. 日本番号を取得できるサービスが限られる

Retell AIは、米国の電話事業者と連携して番号発行を行っていますが、日本の電話番号は「携帯電話不正利用防止法」等の厳格な法規制の下にあるため、海外のプラットフォームから直接即時発行することはできません。国内の回線事業者と個別に直接契約する必要があります。

2. 電話事業者ごとにSIP接続方式が異なる

日本の電話回線キャリアによって、接続仕様や音声コーデック、発信者番号の通知ルールが細かく異なります。これらの仕様差をグローバルなRetell AIの仕様に合わせるための調整が必要です。

3. SIP REGISTERとSIP Trunkは異なる

国内キャリア(例: ブラステル)はIP電話機がID/パスワードで定期ログインする「SIP REGISTER方式」が基本です。一方、Retell AIは静的IP/ドメイン同士を直結する「SIP Trunking方式」が基本です。この通信仕様の不一致により、直接接続が成立しません。

4. 発信時のCaller IDに制限がある

日本のキャリア回線は、契約者自身が保有していない番号をFromヘッダー(発信者番号)に偽装して発信することを規制しています。AI側から発信する際にも、正しい番号形式に上書き(正規化)して架電する必要があります。

Retell AIで日本番号を使う3つの方法

① SIP Trunk対応事業者から直接接続する

国内の法人向けSIP Trunk回線事業者と直接契約し、固定IPまたはドメインによるTrunk接続をRetell AIと直接構成する方法です。大規模向けですが、契約や最低費用(回線料金)が高額になる傾向があります。

② Asteriskを中継して接続する

中継サーバーとしてオープンソースPBXの「Asterisk」を配置する方法です。安価な国内050回線(ブラステル等)をAsteriskに収容(REGISTER)し、AsteriskとRetell AIの間をSIP Trunkでブリッジします。小規模から安価に構築できるため、最も現実的です。

③ 既存PBXやクラウドPBXから転送する

すでにオフィスで導入されているビジネスフォン主装置やクラウドPBX(Dialpad等)から、着信時にRetell AIの特定のSIP URIへ転送をかける方法です。既存環境への変更を最小限に抑えられます。

Asteriskを使う場合の全体構成

ブラステルの050番号をAsteriskを経由してRetell AIと接続する標準的なアーキテクチャ図です。

【日本の一般電話】 ➔ 【Brastel My 050】 ➔ (REGISTER / UDP) ➔ 【Asterisk中継】 ➔ (SIP Trunk / TCP) ➔ 【Retell AI】

着信の流れ

  1. ユーザーが050番号に電話をかけます。
  2. ブラステル回線が、あらかじめREGISTERされている中継AsteriskへINVITEパケットを送信します。
  3. Asteriskは着信を受け取ると、番号形式をE.164(+8150XXXXXXXX)に正規化し、Retell AIのSIPインポートURI宛てに転送します。
  4. Retell AIの音声AIエージェントが応答し、双方向の通話が開始されます。

発信の流れ

  1. Retell AIの管理画面またはAPIから、日本の電話番号宛ての発信(アウトバウンド)を起動します。
  2. Retell AIは、中継Asteriskに対して国際E.164形式(+8190...)で発信要求を送信します。
  3. Asteriskはこれを受け取ると、番号形式を国内形式(090...)にデコードし、From番号をブラステルの契約者IDに上書きしたうえでブラステル経由で発信します。

接続前に確認する項目

  • 利用中の通信回線事業者(例: ブラステル、アルテリア、NTT等)
  • 提供される回線の仕様(REGISTER方式か、Trunk方式か)
  • 接続アカウント情報(SIPサーバーアドレス、ID、パスワード)
  • AIで使用する日本語音声合成プロバイダー(ElevenLabs推奨)

よくあるトラブル

着信しない

中継サーバーがキャリアに対して正しくREGISTERされているかを確認します。Security Group等のポート(5060/UDP)の開放状況や、identify設定の不備が疑われます。

音声が聞こえない・片通話になる

SIPシグナリングは通るが、実際の音声(RTP)が通らない現象です。NAT越えの設定不足により、RTPの送信先がプライベートIPになってしまっているケースが多いです。rtp_symmetric=yesexternal_media_addressを設定します。

Caller IDが表示されない

発信時に発信者番号が通知されない、または「非通知」になる場合は、FromヘッダーやP-Asserted-Identityヘッダーがキャリア側の期待するフォーマットに合致しているかをダイアプラン(extensions.conf)で検証します。

導入費用と期間の目安

  • 回線接続のみ(ライトプラン): 最短3〜5営業日 / ¥50,000〜
  • AI構築込み(スタンダード): 通常1〜3週間 / ¥150,000〜

SIPBridgeで対応できること

「SIPBridge」では、日本の電話回線とRetell AIの接続設定、中継用のAsteriskサーバーのセキュアな設計・プロビジョニング、音声の片通話やパケットサイズ問題の解決、実業務に適した対話プロンプトの設計までワンストップで代行します。

よくある質問 (FAQ)

Q. ひかり電話や03番号は接続できますか?

A. はい、ひかり電話のゲートウェイ機器(アナログ/ISDN変換)やクラウドPBX環境を中継することで接続可能です。ただし、所在地や設置環境によって条件が異なります。

Q. 音声のタイムラグ(遅延)はどのくらいですか?

A. 最適化された構成(TCP中継)では、通常の電話対応と遜色ない「約1秒以内」の低遅延対話を実現しています。

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